あん摩マッサージ指圧師とは
あん摩マッサージ指圧師とは、東洋医学に基づいて「あん摩マッサージ指圧」を業とする施術者をさします。
あん摩マッサージ指圧は、「あん摩」「マッサージ」「指圧」の3つの言葉でできています。
「あん摩」の「あん(按)」は「押さえること」、「摩」は「撫でること」です。古来のあん摩は、薄い衣服の上から身体を押さえ、撫でることで血気の流れを正しくしました。身体の中心部から抹消の方向に向かって筋肉の硬結を取り除き、筋組織の循環を回復させ、疾病を治療に導きました。
「マッサージ」は、ヨーロッパで生まれた現代医学が基本になっています。血液は、動脈管を流れて身体の末端組織まで行き渡り、静脈管を流れて再び心臓に戻ります。静脈管は動脈管に比べて弾力に乏しく、血液を送り出す力が弱く、なかなか戻りにくいのが特徴です。リンパ管も静脈管と同じような構造をしています。マッサージは、この血液やリンパ液が末端から心臓にスムーズに戻ることを目的とした手技療法です。
「指圧」は、あん摩の按法(押さえる手技)を日本独自に発展させた療法です。主として「押圧法」によって刺激を与えます。指圧の主な目的は、神経や筋の機能を調節することです。患部を押す、もむ、さする、たたくことによって、体のツボに刺激を与え、体内の血行をよくし、こりをほぐします。指圧は、肩こりや腰痛の解消、疲労回復など、体調不良を改善します。
鍼師(はり師)とは
鍼師(はり師)とは、東洋医学にもとづいて鍼術を業とする施術者をさします。鍼術とは、鍼(はり)を用いて、経穴(ツボ)に刺激を加え、病気を治そうとする施術です。
鍼師は、金属針を患部にさして神経を刺激することによって、自然治癒力を活性化させる施術を行います。
鍼術(しんじゅつ)に用いる鍼は、金属の細い針で、医療器具です。留針に似た形で、主に金、銀、鉄、石などで造られています。治療に使用する鍼は、髪の毛ほどの細さであるため、痛みを感じることはありません。古くは、メス状やヘラ状のものなど、針状以外ののものも使われていました。
灸師(きゅう師)とは
灸師(きゅう師)とは、東洋医学にもとづいて灸術を業とする施術者をさします。灸術とは、漢方療法の一つで、もぐさを肌の局部にのせて、これに火を点じて焼き、その熱気によって病を治療する施術です。
灸師は、経穴(ツボ)に適度な熱刺激を与えます。これにより全身の機能調整が図られ、冷え性などの各種症状の改善に効果が発揮され、自然治癒力が高まります。
もぐさとは、生命力の強い蓬(ヨモギ)を加工したものです。「燃え草」がその語源といわれています。摘み取った蓬を十分に乾燥させ、石臼で引いた後、茎や葉脈などの夾雑物を取り除きます。この作業を何度も繰り返し、柔らかな蓬の葉の裏の毛を集めたものがもぐさになります。
もぐさが灸治療に用いられる理由のひとつに、もぐさの燃焼温度の低さがあります。もぐさの燃焼温度は、他のものに比べてかなり低く、大きさにもよりますが、摂氏70〜100度程度です。このため、やけどの心配がありません。もぐさは、筒状の紙に巻いたり、棒状に固められたりと、用途に応じていろいろな形に加工されます。
鍼灸について
鍼灸は、一般に「はり・きゅう」または「しんきゅう」と呼ばれています。鍼灸は、我が国の伝統的医療です。その起源は中国で、東洋医学または漢方医学の一分野です。
鍼灸は、経穴(ツボ)に刺激を加えて病気を治そうとする施術です。刺激の方法には、金属の細い針を経穴に刺入する、または艾(もぐさ)を燃焼させて経穴に刺激を加える、があります。
鍼灸医学が日本に渡来したのは、漢方薬よりも早く、6世紀初めの飛鳥時代、仏教の伝来よりも11年遅いといわれています。
古代中国では、揚子江流域やその南方の地質が豊かでさまざまな植物が茂った所では、植物の根・皮・木・草等を採集して煎じて飲む「薬」としての療法が発達したといわれてています。一方、黄河流域の土地が痩せて植物の種類も少なく生育も悪い地方では、煎じ薬には頼れず、経験的に針灸療法が発達したものと思われます。「漢方薬」と「鍼灸療法」の2つの医学は、中国の漢時代にひとつに集大成され、今日では漢方医学と呼ばれています。
鍼灸医学は、日本に渡来してから明治時代の初期までの長い間、漢方薬と共に医学の主流として広く人々に活用されてきました。しかしながら、幕末のオランダ医学(西洋医学)の伝来によって、次第に衰退を余儀なくされてきました。
1874 年、明治政府の欧米化政策により、日本の医学を西洋医学とする立法が制定され、医学の主流を西洋医学に明け渡すことになりました。この理由として、欧米化政策が挙げられますが、その他、東洋医学は内因性の病気に対しては治療効果を評価されてきましたが、外因性のもの(外傷)に対しては効果が遅いことが挙げられます。特に、戦場などで受けた外傷に対しては、西洋医学の外科が、はるかに役立ちました。このため、東洋医学が軽視されたともいわれています。
しかし最近では、公的な医学研究所や医科大学、鍼灸大学、鍼灸短期大学、医療機関等で、科学的な各種の実験や研究がされ、少しづつ鍼灸医学の効果が証明されてきました。鍼灸は、日本をはじめとして米国やヨーロッパ各国でも盛んになってきています。
鍼灸の効能
鍼灸治療には「痛みやこりに効果がある」ということは、一般的に知られています。これは、鍼灸の効能の、ほんの一部にしかすぎません。
鍼灸治療には、血管の収縮が改善され、全身の血流が良くなり、栄養と酸素の供給が促進され、代謝が上がり、消化器系の働きも高まり、自律神経系、ホルモン系のバランスが整う、などの効能があります。又、脳から分泌されるホルモンが、人間の心とからだの健康に大きく関与していますが、針灸によるツボへの刺激で、脳内物質の中でも一番効力のある「エンドルフィン」の分泌が促されます。脳細胞は若さを保ち、活性化され、免疫力と自然治癒力が高まり、ガンをはじめとするあらゆる疾病から、からだを守る働きを高めるのです。
鍼灸には他に、高齢者や、慢性病、難治性疾患の生活の質を高めたり、薬物副作用を軽減したり、外傷やリハビリの補完作用などがあります。定期的な針灸治療で、日頃の心身の疲れを取り、病気を未然に防ぐことができます。
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